pequenas alegrias

手術後は毎日主治医、副主治医の女医さん、
回診時には研修医らしき若いお医者さん2人くらい（イケメンの時もある）が病室に来てくれた。

先生方も看護師さんたちも、日に何度も胸のさらしを開けて
「経過は順調、傷口もきれい」と確認し、その後は、私のなかなか引かない抗がん剤副作用の愚痴を聞いてくれたりしていた。

抗がん剤で腫瘍が3.2センチから点のように小さくなってくれたおかげで、手術は部分切除、温存手術だった。

恐る恐る下半身シャワーのときに初めて傷を見たときは、思っていたよりも傷が目立たず、何よりも胸の形がほとんど変わっていないことに驚き、とてもうれしかった。

「先生ありがとう」

と手術してくれた先生をハグしたい気分だ

傷は小さくはないがタテに5センチほどで、腕にとても近いところにあるので、癒えて赤みが引いたら本当に目立たなくなりそうだ。

ただ、全摘ではないため来年は放射線治療が待っている。
抗HER2治療も9か月、まだまだ治療は続くのだ

それでもケモと手術が終わっただけでも、バンザイしたいほどうれしい

よくがんばった、ワタシ

入院生活はコロナ禍で家族や友人の面会もないため、とても暇だった。
大部屋だし、イヤホン使用でのテレビはめんどくさいし、元々テレビっ子ではないので、本ばかり読んでいた。

持参したミステリー小説（母から借りた西村京太郎など）や、1階のコンビニで買った小説などを皆読み終わると、amazonのkindle Unlimitedの30日無料体験を使って読み放題の本をダウンロードしまくって読み漁っていた。

その中で、ふと目にとまった

「霊能者ですがガンになりました」

というマンガに興味を惹かれ
ダウンロードして読んだ。

占い好きの私は、昔から霊視や未来が見えるなどの能力がある人に興味があり、さらに霊能者がガンになるという言葉にも関心を持った。

主人公のドS霊媒師が乳がんになり、闘病するというストーリーだけど、乳がん闘病中の私には

「あるある～」

の連続で、病室であるのも忘れ、笑い転げたいほど面白かった。

ただ、このマンガは

メンタルの強い人
ポジティブ思考の人、
「ガンの闘病は人それぞれである」ということを十分に理解できる人

にはおススメできます。

理由は最後まで読めばわかります

でも私は読んで本当に良かったと思っている。
読み終わったあとは、この実在する霊媒師の主人公の霊媒師としての活躍をマンガにしたシリーズもたくさん読んだ。
夜読むのはさすがに少し怖かったけど。

ガンになってからずっと
元気にポジティブに頑張ってきて
周りの人には

「何でそんなに元気でいられるの？」

と驚かれることも多かったけど

「死ぬかもしれない」

と思ったこともあったし

入院中はとくに
「生きる」ことと「死ぬ」ことについて
よく考えた。

人はいつかみんな死ぬし
それがいつかは誰も知らない
（未来が視える人はのぞき）

だからやっぱり
二度とこない一日を
大切に生きていきたいなと思う。

8年前に乳がん闘病をしていた友人に
「8年経ったから、そろそろガン発症リスクが、ガンになったことがない人と同じになるね」
と言ったら

「そうは言っても、やっぱり忘れられないし、忘れちゃいけないよ」

といった。

「そうだな」

一生忘れられない、忘れてはいけない。

でも

恐れてもいけない。

「Everything　counts（すべてのことに意味がある）」

強くなろう。

明日のために。